シャーボX ST3を購入するときに、ものすごくTS10を買うべきかどうか悩んでST3歴 約半年。ST3の使いやすさを理解したうえで、ようやく決心して上位グレードの購入にいたった。
現在シャーボXは7種類あり、3,000円~10,000円という価格でラインナップされている。国内でこれだけ1機種で充実しているのは珍しい。
それだけにゼブラの本気(良さ)を感じることができるボールペンでもあるので、どれを選んでも品質には安心してほしい。
そして今回レビューするのは「シャーボX TS10」というボールペン3本+シャープの4機能を兼ね揃えた最上位モデルのグラファイトブラック。
フォトギャラリーをメインに、インク選びの注意点をレビュー。シャーボXの上位グレードを購入しようと思っている人は参考にしてほしい。
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シャーボX TS10(ゼブラ)とは?
シャーボX TS10(ゼブラ)の特徴は下記。
- 歴史あるゼブラの多機能ペン
- ロータリーシステムの静音感
- TS10唯一の付加機能
40年以上の歴史ある多機能ペン
「シャーボX」の前進である「シャーボ」は1977年から販売が開始されており、1本でボールペンとシャープを切りかえて使うことができる多機能ペンとして登場。
発売から40年以上を迎えるロングセラー商品であり、現在はボディとリフィルを選んで組み合わせられるタイプへ進化したのがこの「シャーボX」であり、最上位モデルが「TS10」。
シリーズ最高の静音性
シャーボXはリフィルを切り替えるときの動きがとても滑らかで、かつ静音である・・・というのはST3の記事でも書いているんだけど、TS10はさらに静音。
超静音の秘密はこの違い。シャーボX TS10のグリップ内にラバー素材が存在する。この中身に4本のペンが収まるのと同時に、ラバーで支えられた状態で回転するので音が吸音されるという構造。
シャーボX ST3だとリフィルが出てくると同時に『コツッ、コツッ』という音がするんだけど、TS10は『トッ、トッ』に留まる。生活音と混じると音はしないに等しくなる。
シャーボX唯一の4本収納
シャーボX TS10は、ボールペン3本+シャープペンシル1本の合計4本のペンが収納されている。
これはTS10唯一に備わっている機能であり、シャーボX最上位モデルにしかない特別機構である。
軸径12mm以下のサイズに4本ものペンが収まってしまうものは数も少なく、これ以下になると「uni・ジェットストリームプライム3&1」や「パイロット・3+1(スリープラスワン)リッジ」になってくる。細軸のリッジは興味あるペン。
シャーボX・TS10(ゼブラ)のスペック
シャーボX・TS10(ゼブラ)のスペックは下記。
ボールペン名称 | シャーボX TS10 |
ボール径 | 任意(0.4~1.0mm) |
全長 | 142.9mm |
直径(グリップ部) | 11.8mm |
重量 | 26.0g |
方式 | ロータリー式 |
インク | 任意(油性・エマルジョン・ゲル) |
メーカー | ゼブラ |
その他ラインナップ紹介
シャーボは現在公式サイトでラインナップされているのは7タイプ。
LT3、ST3、CL5、SC5、ST5、CB8、TS10があり、LT3がエントリーモデルとなり、TS10になるにつれてハイエンドモデルとなる。
デザインやフォルムがそれぞれ異なるが、大きな違いはCB8からTS10の部分で現れる。
CB8まではシャープ合わせて3本に対して、TS10のみ4本となる。いやはやセコい。普段から黒・赤・青 or 緑を必須としている人には、このタイプがおすすめ。
そして最近では2021年2月22日に『SL6(Slim Leather)』というシャーボXが、ランナップに加わるという嬉しい情報が舞い込んできている。
シャーボX ST3
シャーボXのエントリーモデル。レフログ視点のシャーボXを選択するうえでの注意点や失敗してほしくないポイント、ラインナップ情報を書いているので参考にしてほしい。
シャーボX シリーズではイチオシ。まずはこれから購入してほしいと思っている。
シャーボX SL6 ※2021年2月新登場
シャーボX TS10(ゼブラ)フォトギャラリー&デザイン
シャーボX TS10(ゼブラ)の見た目・デザインを紹介
パッケージ&ペンケース
スタンダードフォルム
ここからはシャーボX・TS10(ゼブラ)グラファイトブラックの写真を紹介していく。まずは引きの写真から。
アップフォルム
次にシャーボX・TS10(ゼブラ)のアップ写真を紹介。気になる部分をくまなく見てほしい。
シャーボX TS10(ゼブラ)のリフィル
シャーボX本体にはなんとリフィルが標準搭載されていない。リフィルが入っていないのは若干上から目線な気がしてならないが、これこそがシャーボXの楽しさでもある。
4Cタイプの油性インクから、同社のジェル(ゲル)インク、そしてあの圧倒的人気を誇るbLen(ブレン)でも採用されているエマルジョンインクの各芯径から、自分が好きなものをチョイスできる。
品名 | 4C-0.4芯・4C-0.5芯・4C-0.7芯・4C-1.0芯・JSB-0.4芯・JSB-0.5芯・ESB-0.5芯・ESB-0.7芯・SBXシャープ部機構 |
品番 | R4C4-BK、RJSB4-BKなど、RESB5-BKなど・SB-X-3-B1 |
種類 | 油性・エマルジョン・ジェル・シャープ |
価格 | 100円・160円・160円・300円 |
全長 | 67.0mm |
最大径 | 2.4mm |
替芯方法
シャーボX TS10(ゼブラ)の替芯方法を紹介。
シャーボX TS10(ゼブラ)の書き味&描線
インク選びでカスタマイズ可
今回シャーボX TS10(ゼブラ)に入れたのは、油性インク 0.7mm(BR-8A-4C-BK)の黒と赤と青、そしてシャープ 0.5mmをセット。
油性インクを選んだ理由は単純で、ST3でエマルジョンインクを入れていたので、違うものを使ってみようと思ったため。
インク選びの注意点
シャーボXのインクを選ぶ上で注意してほしいことを紹介。これはレフログの勉強(知識)不足からきたものでもあるので参考情報になればと思う。
○インクの特長
▼シャーボXの油性インク
ややねっとり系、ジェットストリームインクほどの滑らかさは無し。
▼シャーボXのエマルジョンインク
シャーボXの油性インクより格段に滑らか。ブレンの書きやすさと同様(同等)と思ってもらってOK。
ここからはレフログの反省部分。
シャーボXだから、油性インクもそこそこ書きやすいだろう、と思って油性インクをチョイスしたんだけど、そういう買い方はやめた方がいい。
ジェットストリームインクに慣れていたとしたらなおさら。正直、ジェットストリーム好きからすると、まったくペンが走ってくれない感じで書きづらさまで感じてしまう。
そういう事態に陥る可能性をひめているため、インク選びは慎重にしてほしい。
油性インクが絶対に必要なら油性を選んでOK。ただし、そこまで気にしていなくて書きやすさを求めるなら、まずはエマルジョンインクを選ぶことをおすすめ。あとあと書きにくくて後悔する可能性が下がると思う。
そして大事なことは書きづらさについては機種性能だけではなくて、リフィル(芯)にもあることをよくよく覚えておいてほしい。
左利きが実際に使ってみてのレビュー
ここからはシャーボX TS10を使ってみて、ST3と比較した時のGoodポイント、Badポイントを紹介。
率直な感想だけど、正直使い勝手だけならST3の方が上に感じている。
ST3をすすめる理由はカンタンで、上位モデルは価格も高いし、それなりにBadポイントがあるのに、それを理解せずに高い買い物をしたなぁ、と失敗したとしても、そう思いにくくなるから。
人ってだいたいそんな感じで、高いモノを買うとその満足感や『高いモノを買ったから』と、モノの評価がしっかりとできなくなってしまう傾向にある(と思ってる)。
だからこそ、シャーボXが気になっている場合は、遠回りしてでもエントリーモデルのST3やLT3をまずは購入してみるをオススメする。
まさに『迷う理由が値段なら買え、買う理由が金額ならやめとけ』である。
TS10の良いところ
さすが最上位モデルといったところ。高級感や重厚感がST3と一線を画しているのは言うまでもない。
といっても1番驚いたところは、ロータリー機構部のノックに必要な部分がST3ではやや鋭角になって、少し痛い感じだったのが無くなっているところ。
ペン先、中間、ノック部のアクセント部分への処理がST3よりも精巧で緻密なんだと思う。
TS10の良くないところ
ここからはBadポイント。思った以上に多いため、ST3をまずはオススメする理由でもある。
①価格面
まず価格が高い。TS10の定価が1万円なんだけど、ネットじゃないとまず買いづらい。(※ネットだと若干安いため)
②メッキ部?の指紋
TS10のアクセントに使われているシルバーやゴールド部はメッキ仕様に近いため、指紋が付着してまぁまぁ気になる → 拭き取る → 指紋が付く → ・・・ エンドレス・・・。
ST3や一部機種ではつや消し仕様のためこのようなことがないので気にしていなかったのだけれど。
③出したいペンの出しにくさ
シャーボX ST3はロータリー機構部に【Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ】という筋が入っているので、パッと見てどこにどれを入れたか分かりやすい。
しかしTS10は周囲に【Ⅰ】マークが4つある。高級感を出すためにそうしたんだろうけど、マークがすべて同じなため、出したい色を頼る場所がない。一瞬の判断で出したい色を出せるようになるのには慣れと時間を要すことになる。
ここについてはかなりストレスを感じることになるので、ST3や他のシャーボXの方が使いやすさが数段上である。
④ST3のようには回せない機構
ここについては超静音の代償ともいうべきか。
ギッチギチの内部構造とグリップ内のラバーによって静音性が保たれているが、その分ST3ほどの回転による替えやすさがなくなっているのが、実際に回すと分かるくらい違う。
以上が仕事中などにサッと使いたいレフログからすると、ST3もより劣っている点である。
まとめ
シャーボX TS10は完成度が非常に高い多機能ペンであることは間違いない。
しかし価格感がやや高めに感じるのは、シャーボX ST3などの下位ラインの品質が非常に高いからだと思う。
『高かろう、良かろう』という言葉はあるけど、TS10を購入しなくてもシャーボXの良さは感じられるし、品質の高さも味わうことができる。
そのうえでも高級ラインが良ければ選べばいい。
購入した暁にはTS10にしかない、気品漂うペンのオーナーになるという満足感を与えてくれるだろう。
最後に何度も言うが、インク選びだけは注意してほしい。たったそれだけのことで、このペンが嫌いになるかもしれない。
▼シャーボX TS10
▼パイロット 4+1RIDGE(リッジ)