人気のあるペンは何か?と聞かれたら「LAMY(ラミー)2000」がランクインすると言っても過言ではない。ドイツメーカー・ラミーデザイン最初のモデルであり、50年以上経っても売れ続けている驚異的な多色ボールペンをレビュー。
しかしながら、LAMY(ラミー)2000の購入を渋りまくっていたのは言うまでもない。
その理由のひとつにLAMY(ラミー)2000のレビュー記事であまりにも良い評価が多すぎるからだ。この状況は逆に怖い。
ホントにこのペンっていいの?と思い続けてついに購入してしまったので、思い感じたことを正直に綴っていく。
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LAMY(ラミー)ブランド
LAMY(ラミー)はドイツのハイゼンベルクに本社がある筆記具メーカー。創業者がカール・ヨーゼフ・ラミーであり、ブランド名称の由来はここからきている。
面白いのはこのラミーがパーカーの営業担当をしていたということ。そしてさらに印象的なのは、このラミーの息子であるマンフレート・ラミーがLAMY2000シリーズを手がけている。
LAMY(ラミー)2000とは?
LAMY(ラミー)2000 4色ボールペンの特長は下記。
- 美しいヘアライン加工
- 振り子式ノック
- シンプルボディ
優美なALLヘアライン加工
ファンにはたまらない「ヘアライン加工」。
ボディに少し入っているだけでもテンションがあがるのに、LAMY(ラミー)2000はなんと上(ノック部)から下(ペン先)まですべてヘアライン加工が施されている。
LAMY(ラミー)2000はクリップ部分までもヘアライン加工があり、”Made in Germany”の本気度を感じられる瞬間である。
そして持ったときの質感が何ともいえない良さである。樹脂&ステンレスのはずなのに、まるで木製?と感じさせられるのには誰もが驚くはず。
希少な振り子式ノックを採用
あるといえばあるけど、無いといえば無い「振り子式」
振り子式というのはペンの切り替えを、色の付いている面を上にしてノックするというもの。
LAMY(ラミー)2000はそうすることで出したいペンが出てくる。こういうギミックが好きな人にはたまらない仕組みが施されているのも人気の秘密であろう。
国内メーカーだと、ピュアモルトプレミアム 2&1 MSE3005というペンなども振り子式を採用している。
無駄を削ぎ落としたシンプルボディ
よもや50年以上このデザインであるということに驚きを隠せないLAMY(ラミー)2000。1966年に登場したものだとは思えないくらい精巧であり、曲線美のために無駄が一切ない「シンプルデザイン」。
こんな時代から完成していることが嘘みたいだけれど本当。デザイン性を最大限に高められており「バウハウス」デザインがコンセプトになっていることが大きい。
そしてそのコンセプトとは「余計な装飾を排除した、シンプルで機能的な美しさ」。うん。納得。そしてそういうの好き。
LAMY(ラミー)2000のスペック
LAMY(ラミー)2000のスペックは下記。
ボールペン名称 | LAMY2000 |
ボール径 | 0.7mm |
全長 | 139.0mm |
直径(グリップ部) | 12.0mm |
重量 | 21.5g |
方式 | 振り子式 |
インク | 油性(4Cタイプにてカスタマイズ可) |
メーカー | LAMY(ラミー) |
LAMY2000 その他ラインナップ
LAMY(ラミー)2000はラミーデザイン最初のプロダクトだけあって、シリーズ化されている。代表格を紹介。
ペンシル type
LAMY(ラミー)2000のシャーペンタイプ。
ボールペン type
LAMY(ラミー)2000のボールペン1色タイプ。
ローラーボール type
LAMY(ラミー)2000のローラーボール。ローラーボールとは日本語に訳すと水性ボールペンとなる。
万年筆 type
LAMY(ラミー)2000の万年筆タイプ。
この他にもブラックウッドタイプのボールペンやステンレスタイプのボールペンが存在する。
LAMY(ラミー)2000 フォトギャラリー&デザイン
LAMY(ラミー)2000 4色ボールペンの見た目・デザインを紹介
パッケージ&ペンケース
ラミーの紹介が書かれている 共通?扱いのよう。
他のペンの替芯方法を確認できる。
スタンダードフォルム
ここからはLAMY(ラミー)2000 4色ボールペンの写真を紹介していく。まずは引きの写真から。
ノック部から中央にかけて膨らみ、先端に向けて細くなる丸形デザイン
ノック部にもヘアライン加工が入っている
緑と赤はノックして出したい色の目印となる
ボディの丸みに相対して、クリップは直線デザイン。当然ここにもヘアライン加工が施されている。
ボディはブラックだけれど、ヘアライン加工によって少しカスレたブラック
美しいデザインというのが当てはまる
ノックから先端まで程よい曲線が妖艶
さすが50年以上の歴史あるデザインという感じ
アップフォルム
次にLAMY(ラミー)2000 4色ボールペンのアップ写真を紹介。気になる部分をくまなく見てほしい。
ここまでやっちゃうの?という感じの本気度
中央少し右の黒い筋が継ぎ目 初見では分かりづらい
クリップ裏側に「GERMANY 2」と刻印が入っている
クリップがバインダークリップになっている。いやはや抜け目がない。ちなみに軽いバインダークリップではなくて、重め(力が必要な)クリップ。
LAMY(ラミー)2000のリフィル
ジェットストリームインク化やエマルジョンインク化が可能
純正の油性インクはかなり重めなタイプ
国産メーカーのリフィルと比較すると海外のリフィルは少し高め。ブレンのようなちょっとしたボールペンが買えてしまう。
それだけが要因ではないが、かなりの高確率で純正から国産リフィルへ変更するユーザーも多い模様。LAMY(ラミー)2000をさらに書きやすく、使いやすくさせたいならジェット・エマルジョンインク化するのがオススメ。
※ゼブラの4Cは軸径が0.1mm大きいため要注意
品名 | LAMY マルチカラー替芯 |
品番 | LM21BK BL GN RD |
種類 | 油性 |
価格 | 1本・440円、4本・1,760円 |
全長 | 68.0mm |
最大径 | 2.0mm |
替芯方法(驚愕の継ぎ目)
LAMY(ラミー)2000の替芯方法を紹介。
継ぎ目がかなり分かりにくい繊細なデザインが伺える瞬間。
振り子式
LAMY(ラミー)2000はペンの変更が珍しい「振り子式」となっている。ちょっとだけ紹介。
「振り子式」というものが採用されていることで、ギミック好きの遊び心をくすぐってくれる。
たったそれだけのことでも、あまり多くない方式なのがなぜだか嬉しい気もする。
LAMY(ラミー)2000の書き味&描線
LAMY(ラミー)2000 4色ボールペンの線幅は0.7mmとやや太字の設定。
初めてLAMY(ラミー)2000を使って書いてみて、1番気になったところはリフィルの発色が鈍いところ。
赤と緑がやや濁っている感じの印象。これは写真を見てもらうのが1番分かりやすいと思う。そして青はなぜか発色が良い。これは不思議な感覚になった。
続いて書き味。書き出しがかなりヌルっといく。そしてペン先はスイスイ走らないがインクが出ていくことが感じられる。そんな感じである。
これはロディアやロットリングでも味わったことがない感覚だった。国産リフィルも異なるけれど、やはり国外メーカーも変わるのだなと感じた次第。いやはや面白いことである。
ただ、写真にもある通り書き出しが弱いことがあり、緑は見事に色が最初出てくれなかった。これは右の場合でも同じようになりそうである感覚だった。
左利きが実際に使ってみてのレビュー
良いところ
手にした人を虜(とりこ)にするような唯一無二の超シンプルデザイン。
このデザインが50年以上前に完成されていたことに驚きが隠せないと同時に、完成されたデザインは変わらぬ形で、今もこの世の中に売れ続けているという事実。
もはやこれには文句の付けどころがない。
さらにはペン好きをくすぐるヘアライン加工からバインダークリップ、そして振り子式と、この1本にLAMY(ラミー)のすべてが詰まっているといっても過言ではないだろう。
そしてこのペンの佇まいたるや、国産ペンにはない良さがここにある。
良くないところ
どんなに最高なペンでも欠点はあるので紹介しておく。購入前にしっかりと胸に留めておいてほしいポイントである。
1点目
リフィル交換時にネジる部分がなぜかプラスチック
これは商品レビューでよく見かけるものでもある。あらゆるデザインを極限までシンプルにしているため、中の構造もかなりシンプルな構造になっており、ネジ部分(グリップ側)が本当に薄い。
誤ってペンを落としてしまって、この部分が割れてしまったというレビューまであり、正直ヘビーローテで使うのが怖くなってしまう。なんでこの部分を金属製にしなかったのか・・・。さらに高くなってしまうからかな・・・。
2点目
ノックが異常に硬い
これは個人的に驚きのガッカリポイント。国産の感覚でいくとまずノックがおりないと思う。言うならば数回ノックすると親指が痛くなってしまうくらい。使っていると少しずつラクになってくるのだろうか。
3点目
出したい色が出ないことがある振り子式
これにもちょっとガッカリ。振り子式だから仕方ない。と言ってしまっていいのか迷うんだけれど、ペンを倒す角度や向きなどをいちいち気にしてノックしないといけないのはNG。
解除ボタンがないため、切り替えに2回ノックする必要があるのもやや難点であろう。圧倒的に他の方式の方が間違いがないし、思った色が一瞬で出てきてくれる。
4点目
最後に「定価が高額すぎるボールペンである」ということ。
今回購入したのも、Amazonなどで定価の6割程度で買えるようになってきた。というのが大きい。
数多くの要素が盛り込まれており、デザインも言うこと無しなんだけれど、ボディが樹脂製・割れてしまう可能性がある、など不安要素も十分にある。これが1万円を出すに値するかは、正直迷うところではないだろうか。
見た目のデザインは負けてるかもしれないけれど、定価勝負なら精巧さや静音性・ロータリー式・安心の国産リフィルを考えると、シャーボX・TS10ラインの方が良いようにも感じてしまう。
まとめ
最初に断っておくこととして、多機能ボールペンと多色ボールペンは性能がまったく異なることは押さえておいてほしいんだけれど、デザイン比較としてシャーボXとピュアモルトを参考挙げている。
※今回紹介しているシャーボXとピュアモルトは多機能ボールペンとなる
多機能ボールペン > ボールペン以外の機能があるペン
多色ボールペン > 色の使い分けのみができるペン
LAMY(ラミー)2000は140mm未満なので国産と比較すると、やや小さめに映る。シャーボX・ST3は138mmなので、LAMY(ラミー)2000よりももうひと回り小さい。
好みが分かれそうなボディ形状。私はストレートボディが好きなため、丸みを帯びている形状には少し抵抗がある。
なお、ボディは樹脂製ではあるが、ヘアライン加工が施されているため、木製かのような手触りになっているのはやはり秀逸。カサカサ感が気になる人は少し注意。ここもツルツル派と分かれそう。
とても好みが分かれそうなLAMY(ラミー)2000だが、仕事でのヘビーローテには入りそうにない。
どちらかというとプライベートな方で重宝しそうな予感がしている。
理由はよくないポイントで挙げているものが該当する。貧乏性なのかもしれないが、やはり高価なペンに部類するため、若干使うのが億劫になってしまいそうである。壊れてしまったら・・・怖。
それを考えてしまうと、ジェットストリームプライム・3色ボールペンタイプなどが勝りそうな感じ。
▼同デザインで3色ボールペンタイプが存在する
とは言っても、買ったのに使わないのはどうなの?と言われるかもしれないので、基本使う方向で考えている。そのうえで仕事かプライベートかと言われたら後者が強い。
もちろんたまに仕事でも使ってみようとは思っているが、個人的にはコレクション(嗜好)性の高いペンなのかなと感じている。
ボールペン自体の完成度は最高峰のため、学校や仕事で使っていたら一際目立つし存在感があることは間違いないだろう。
ただ、使う時にはより大事に、大切に使ってあげてほしいと思う。人に貸して壊れても文句は言えない。
そういうポイント、そして今回紹介しているGood&Badポイントをよくよく理解したうえでゲットしたときは最高の買い物になるのではないだろうか。
LAMY(ラミー)の本気。をぜひ味わってほしい。
▼LAMY2000 4色ボールペン type
▼LAMY(ラミー)2000 ステンレスボールペン type