少し高めの多機能ボールペンでおすすめといえば? で堂々ランクインするであろうボールペンが、今回紹介するゼブラの「シャーボX」。
この多機能ペンのすごいところは、3,000円のエントリーモデルから10,000円というハイエンドモデルまでを同じモデルで揃えているところ。
このおかげでカラーや選択肢も多く、プレゼントしても良し、もちろん自分で使っても良し、オリジナル性を出しやすいのも良いポイント。
国内ブランドだとメジャーな高品位ボールペンといえば、uni(三菱鉛筆)のジェットストリームプライムなどが出てくると思うが、回転繰り出し式でも5,000円までとなる。
正直、多機能ペンとなると1万円くらいのラインナップがあり、そのレベルまで攻めてるのは、同ゼブラのシャーボXや独自路線をいっているパイロットかサクラクラフトラボ004などだと思う。
今回はそんな国内ブランドのゼブラ・高級多機能ペン「シャーボX」を紹介。
そしてレビューするのは「シャーボX ST3」というボールペン2本+シャープの3機能を兼ね揃えたエントリーモデルとなる。
ちなみに、このST3の使い具合によって、上位モデルである「CB8」や「TS10」の購入を考えていきたいと思ったのが、このST3を選んだ理由。
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シャーボX(ゼブラ)とは?
シャーボX(ゼブラ)の特徴は下記。
- 歴史あるゼブラの多機能ペン
- やや小ぶりなデザイン
- ロータリーシステムの静音感
- 多彩なボディ
40年以上の歴史ある多機能ペン
「シャーボX」の前進である「シャーボ」は1977年から販売が開始されており、1本でボールペンとシャープを切りかえて使うことができる多機能ペンとして登場。
発売から40年以上を迎えるロングセラー商品であり、現在はボディとリフィルを選んで組み合わせられるタイプへ進化したのがこの「シャーボX」。
やや小ぶりで洗練されたデザイン
40年以上の歴史があるから、と簡単には言えないが、シャーボXのデザインは洗練されている。
先日まで国内ボールペンは比較的小さめが少ないと言っていたが、今回紹介する「シャーボX ST3」はおおよそ138mm程度となり、愛用しているジェットストリームプライム多機能ペン2&1よりも5mmも短い。
ST3モデルは、この5mmの短さこそが、良かったりする。
が、気になる上位モデルのTS10は約143mmなので、世間一般に出ている多機能ペンとほぼ同サイズとなる。ここは少し残念である。
ロータリーシステムの静音性
シャーボXはリフィルを切り替えるときの動きがとても滑らかで、かつ静音である。
回転式だと切り替える度に「カチャ、カチャ」というものもあるのだが、シャーボXにはそれがない。
リフィルが出てきたときに、しっかりと止まるというわけではないのだけれど、コツっ、コツっ、と手に振動が伝わってくるイメージ。
これもシャーボXの機構の精巧さが分かるポイントあり、エントリーモデルであってもそれを感じさせるゼブラの本気度を垣間見ることができる。
多彩なボディとカスタマイズ性
現行は7タイプ存在しており、3,000円~10,000円というラインナップ。
質感や色、フォルムがまったく異なっているため、オリジナリティが出しやすいのも嬉しい。
そしてそれはボディだけではなく、リフィル(替芯)にも反映しており、油性インク、ジェルインク、エマルジョンインクの中から使いたいものを選べる。
これだけだったらまだ他の多機能ペンと同等かもしれないけれど、シャープも0.3mm、0.5mm、0.7mmの芯径から選ぶことができ、さらにオリジナリティを上げる要素となっている。
カスタマイズ性が相当に高く2009年時点で約50,000通りあるんだって。恐ろしい。
シャーボX・ST3(ゼブラ)のスペック
シャーボX・ST3(ゼブラ)のスペックは下記。
ボールペン名称 | シャーボX ST3 |
ボール径 | 任意 |
全長 | 138.1mm |
直径(グリップ部) | 11.0mm |
重量 | 22.1g |
方式 | ロータリー式 |
インク | 任意 |
メーカー | ゼブラ |
その他ラインナップ紹介
シャーボは現在公式サイトでラインナップされているのは7タイプ。
LT3、ST3、CL5、SC5、ST5、CB8、TS10があり、LT3がエントリーモデルとなり、TS10になるにつれてハイエンドモデルとなる。
デザインやフォルムがそれぞれ異なるが、大きな違いはCB8からTS10の部分で現れる。
何が違うかというと、ペン(使えるリフィル)の本数。
CB8まではシャープ合わせて3本に対して、TS10のみ4本となる。いやはやセコい。普段?から黒・赤・青色や緑色を必須としている人には、このタイプがおすすめ。
ハイエンドモデルだけあって、どのシャーボXよりも上品かつ艶やか。かつデスク上での存在感はバツグンである。
シャーボX LT3
シャーボX CL5
シャーボX SC5
シャーボX ST5
シャーボX CB8
シャーボX TS10
▼参考記事・レビュー
シャーボX(ゼブラ)フォトギャラリー&デザイン
シャーボX ST3(ゼブラ)の見た目・デザインを紹介
パッケージ&ペンケース
スタンダードフォルム
ここからはシャーボX・ST3(ゼブラ)の写真を紹介していく。まずは引きの写真から。
アップフォルム
次にシャーボX・ST3(ゼブラ)のアップ写真を紹介。気になる部分をくまなく見てほしい。
シャーボX(ゼブラ)のリフィル
シャーボX本体にはなんとリフィルが標準搭載されていない。リフィルが入っていないのは若干、上から目線な気がしてならないが、これこそがシャーボXの真価。
4Cタイプの油性インクから、同社のジェル(ゲル)インク、そしてあの圧倒的人気を誇るbLen(ブレン)でも採用されているエマルジョンインクの各芯径から、自分が必要なものをチョイスできる。
これこそが約5万通りあるといわれるシャーボXのオリジナリティである。
そしてボールペンだけならまだしも、シャープ径も0.3mm、0.5mm、0.7mmから選べるなんて迷うに決まってる(汗)
品名 | 4C-0.4芯・4C-0.5芯・4C-0.7芯・4C-1.0芯・JSB-0.4芯・JSB-0.5芯・ESB-0.5芯・ESB-0.7芯・SBXシャープ部機構 |
品番 | R4C4-BK、RJSB4-BKなど、RESB5-BKなど・SB-X-3-B1 |
種類 | 油性・エマルジョン・ジェル・シャープ |
価格 | 100円・160円・160円・300円 |
全長 | 67.0mm |
最大径 | 2.4mm |
替芯方法
シャーボX(ゼブラ)の替芯方法を紹介。
シャーボX(ゼブラ)の書き味&描線
今回シャーボX ST3(ゼブラ)に入れたのは、エマルジョンインク 0.7mm(ESB-0.7芯)の黒と赤、そしてシャープ 0.7mmをセットすることにした。
他のメーカーの替芯をセットすることもできるだけれど、ひとまずゼブラ純正にしたかったのが大きい。
そしてジェルインクを選ばなかったのは仕事柄。すぐ乾くインクがよかったこと。
油性は今後のもう1本のためにとっておくことにした。ひとまず使い勝手優先を考え、エマルジョンインクを選択した。
描線については、以前紹介しているブレンと同等となるため文句のつけようがない。
・・・はずだったが、今回レッド芯はハズレを引いたのかもしれない。早速カスレている…。
左利きが実際に使ってみてのレビュー
良いところ
さすがゼブラ製といわずにはいられないほどの静音性。ノックはもちろんのこと、ロータリーシステムを利用するときの手に伝わってくる感覚はとてもいい。
ラインナップも充実しており、誰もがオリジナリティを出したい筆記具としてはこれ以上融通の効く多機能ペンはないのではないかと思う。
良くないところ
完全に主観であるということを前置きしておくが、どうしても中間の凹みが気にはいらないのが正直なところ。ペン自体がダメと言っているわけではないのだが・・・。
これも好みの問題であるが、芯の引っかかりがしっかりしているタイプではないので、回しすぎてしまうことがある。
注意して出そうとしないと普通に行き過ぎてしまってペンが引っ込む。慣れるまで時間がかかりそうだ。これは絶妙に微妙。
つい先日、そんな中悲劇が起こった。
胸ポケにペンを指していたんだけれど、軸が比較的回りやすいので、指しているときに回ってペンが出てしまい、シャツにインクが着いてしまった。。
エマルジョンインクにしていたので洗濯してもインクが取れず、シャツは捨てたのであった。。それ以来ペンは持って運ぶことにしている。
▼ロータリー式ながら、ペンが出る場所でカチッと止まってくれやすい機構のジェットストリームプライム回転繰り出し式の多機能ペンはこちら
そして最後に、メリットでもありデメリットであるオリジナリティの高さ。
良くいえばオリジナリティが高いのだが、悪くいえばライトユーザーだと何を選択していいのかが分からない。「選んでください」ということほど難しいものはない。これは嗜好性が高いが故のことあろう。
一般的には油性?エマルジョン?ゲル?どれがいいの?ってなること間違いなし。さらにはシャープまで選べというのだから、あまり親切ではない。
まとめ
多機能ペンとしてのトータルバランス(コスト含む)はゼブラ最高峰で完成度が高いペンとして出来上がっていると思う。静音性など間違いなくトップクラスであろう。
しかしながら気になる点も発見できた。
気になった部分を隠しておいても意味がないので直感的に思ったことを書いておく。
最初から凹みのデザインが好きではないと言っていたが、新たな難点が見つかった。
それは何かというと、ノックに必要な凹み部分の下側の処理がやや鋭角で、自分の手のサイズと持ち方だと人差し指の付け根あたりの皮膚(肉)に当たる。
気にならない程度ならいいのだが、気になりだすと気になる。若干痛い?ような感覚があるので、ちょっとどうかなと思っているところ。
これには慣れもあるかもしれないので、しばらく使ってみて再度レビューを追加する予定。
今回はエマルジョンインクを選択した。ジェットストリームの4Cリフィルも使える模様。
しかしながら逆。ゼブラの4Cリフィルは若干ボール径が異なるらしいので使う場合はご注意を。
あくまで主観ではあるが、後半Badポイントが目立ってしまった。でもそれは良いモノだからこそである。何せ失敗してほしくない。
自分がそうなのだが、良い事ばかりしか書いていないレビューほど怖いものは無いと思っている。
そして、いい価格をしているものはどうしても良い評価をしがちである。が、そんなモノは隠しておいても仕方ない。
それを理解したうえで吟味して、さらには実際に触ってみてから検討してみてほしい。
ただ、この多機能ペンの性能と精巧さ、そしてトータルバランスは間違いない。
TS10クラスであれば、国産ブランドで相手ができそうなのは同価格帯のパイロットのRIDGEという多機能ペンくらいではなかろうか。
同じロータリー機構であるジェットストリームプライムも今回一緒に紹介しているが、デザインがめちゃくちゃ良いかというと微妙なので同等に戦えるかは・・・。青い石もあるし・・・。
シャーボX ST3で十分高品位な多機能ペンと同等であり、基本性能、デザイン、質感、そしてオリジナリティを最高まで高めてくれるペンを、ぜひ納得したうえで体感してほしい。
▼シャーボX ST3
▼シャーボX TS10
▼パイロット 4+1RIDGE(リッジ)